植田楽 紙とセロハンテープでつくる生きものたち

2023/02/06

植田楽(うえだひらく)くんの当店での初展示が終わりました。
アトリエから歩いてこれるということで毎日在廊してくれた楽くんですが、時間のある時に手を動かし続けて新しい作品をつくってくれました。

7才の時に初めて作ったのは恐竜。これはこれですでにセンスを感じますが、当時は一体型で棒足でした。少しずつ研究を重ねて骨とか関節を研究してパーツごとにつくり、後からそれらを付け足して、さらに周りに肉付けをしていく方法になりました。爪、歯、鱗などはセロハンだけでできていて、大事な目は紙で作り、最後に張り重ねます。

紙は柔らかい半紙、部分的に硬い紙を使い分けて捏ねて芯をつくるので思ったよりギュッと詰まってます。セロハンやマジックも色々使ってきてこだわって選択しているそう。かれこれもう20年選手。一つのことを集中して続けていられるって凄いな、素敵だな、とそのエネルギーに感動し羨ましく思う毎日でした。
全国の皆さまに見ていただきたく、オンラインショップでも販売します。
全種類を実店舗でもご覧いただけますので、気になる方は店舗の方でお問い合わせください。



ご購入は<Kit ONLINE > 植田楽>から。


植田楽展のご案内は<こちら>から。

サウスアベニューのオーガニックジャスミン 入門編

2022/10/29

サウスアベニューのオーガニック・ジャスミンを販売しています。
サウスアベニューは西荻窪の中国茶専門店(バライティーショップ的要素あり)です。通称サウスさん。
かれこれ20年くらいは継続して中国に買い付けに行かれていましたが、コロナ以後は遠隔でなんとか。それもこれも長年農家(僻地!)まで通い続け、家族同然だという通訳さんの存在とか信頼関係を築いてこられたからこそ。やはり続けるって大事だな、とサウスさんを見ているとつくづく思います。サウスさんではさまざまな品種の中国茶がお買い求めいただけますが、オーガニック・ジャスミンは看板にして開業のきっかけとなったお茶だそうです。
当店では毎年9月には新茶会と称して、ジャスミンの何種類かを飲み比べていただくという会を開催しています。
今年はコロナやら戦争やら世界情勢により遅れて10月開催となりました。それも1日だけの会でしたが、その後も継続して茶葉の販売をしています。
香りの塊みたいな針王AAA(超特級)は一口試飲をしていただけますので、ご希望の方はスタッフまで。

ところで、このような会をしていると「ジャスミン茶が苦手」という声をよく聞きます。そして代用茶(茶ではなく花)だと思われている方が多いのですが、そうではなく緑茶にジャスミンの香りをしみ込ませています。一般的には香料で香り付けしたものが多く、頭痛がするとか胸焼けがするとか、いろんな感想があるのですがそんなイメージを覆すお茶なので是非お試しいただきたいと思います。
福建省福州の畑で育てられたお茶を手摘みの新芽のみで緑茶に加工しています。そこに真夏の濃厚な香りのジャスミンの花を加え、一晩かけて緑茶に香りを移します。翌朝花を取り除き再び新しいジャスミン花を加え香りを重ねていきます。この作業を1週間ほど繰り返して完成します。 ベースに使われている緑茶は本来は体を冷やしますが、上質なジャスミン花のエキスがたっぷりとしみ込んでいるので体を中性に保ちます。朝一番に飲んでいただいても、気持ちよく体が受け入れてくれます。そして芳醇な香りは天然のアロマセラピーだなと思うのです。部屋中に幸せが満ちていきます。是非日常的にハッピータイムをお過ごし下さい〜。

飲み方は?というと意外と簡単です。熱湯を注ぎます。ポイントは量と時間を間違えないこと。
説明書は100℃100CCで抽出する設定です。肝心・絶対なのはお湯を注ぎ切ることです。専用の茶壺などがなくてもピッチャー(磁器か耐熱ガラスがおすすめ)などでも代用できます。(※上の図参照)
意外と抽出する秒数が少ないので、ご注意を。浸しっぱなしにするとえぐみが出てしまいます。慣れないうちは少し気を使いますが、コツを掴めば簡単。そうすると、長く茶葉を味わうことができます。1煎、2煎、3煎...と味は変化します。
当店では茶杯やピッチャー、茶壺などお茶にまつわる道具をご紹介することも少なくないのですが、基本的には淹れ方さえ守れば道具が揃っていなくても美味しくいただけます。日常的にお茶を楽しんでいただきたいので、リラックスしてまずは淹れてみて下さい。ご不明なことは店舗でスタッフになんでもお問い合わせください。


オンラインショップからもご購入いただけます。
ご購入は<こちら>から。

興味はあるが茶葉をどう選べば良いかまったく分からない、というお客様へ。一概には言えませんがこんなおすすめをしてみます。
・はじめてジャスミンを飲む → 針王
・ジャスミンの贅沢な香りを思いっきり感じたい → 針王AAA
・お菓子や料理とも合わせて楽しみたい → 小針 もしくは 珍珠王
・2袋目にもう1種選びたい → 銀針
・いろいろ飲み比べてみたい → 最高級ジャスミン茶のみくらべセット 3種

F/style ゴムが入っていないさらりとした綿の靴下

2022/09/15

やっと出来たか...とF/styleも大きく息を吐いていることでしょう。
もともと販売していた、ゴムの入っていない靴下シリーズが廃盤になってから数年が経っています。あれから、靴下はもうないんですか?と何度聞かれたことか。本来は昨年秋に当店で開催した展示に間に合う予定でしたが、もう少し試作したいとのことでさらに1年が経過しました。
ふたたびゼロ地点に立ち、新しい糸を開発するところからスタートした靴下作り。発起のきっかけになったのは新潟の栃尾で撚糸業を営む(株)本寅工業さんから「こんな糸を作ってみたのだけど」と試作中の糸を見せていただいたことがきっかけだったそう。豊かな水に恵まれた雪深い山間の盆地にある栃尾は繊維関係の関連技術(撚糸、染色、織り、編み、仕上げ加工)のすべてが揃っているテキスタイルの産地。栃尾の繊維業はポリエステルなどの化学合成繊維から、綿や麻などの天然繊維まで対応できる高度な技術を持ちながら、産地内のニット・織物製造との連携も深く、撚糸業側からの提案力があるところも魅了のひとつだと言う。
肌に直接当たる部分が綿になるように、伸縮役のポリエステルを綿糸でコイル状に巻きつけてカバーリングするという糸を開発するところから出発し、データのない特殊糸で靴下を編むということに挑戦。染色や編みはそれぞれ新潟のプロフェッショナルと三社協働で数年がかりで仕上げた。

私自身がしばらくの間入院し、ゴムの入っていない靴下というものに非常に助けられた経験があります。ベッドに入っていても意外と足先は冷えるから靴下は履きたいけど、長時間履いているとやっぱり足が痛くなりむくんでしまうんです。改めて、必要性とありがたみを感じたものです。消費者としては使い心地だけでなく耐久性や見た目にも求めるものは多いですが、トータルで理想的な設計を実現させた企業努力に拍手を送るとともに、作り手としての粘り強さに感服せざるを得ません。とんでもなく集中力のいる仕事であっただろうなあと想像しますが、きっと何度も頭を冷やしながら休みながらコツコツ積み上げて完成したのだろうと思います。 今回の靴下は以前より、テクスチャーがまず良いと思います。紙糸かのようなポコポコとした質感はさらっとしていて厚くも薄くもなく、空気を含んだ軽さを感じます。足を通してみて、いい!と思いましたが、実は経験上パッと見て良さは分かってました。
時々は経過を見せていただいていたので、ついにここに着地したか〜という感じ。
おすすめします。皆さん、たくさん履いてください! オンラインショップからもご購入いただけます。
ご購入は<こちら>から。

Kit ONLINEをリニュアールいたしました

2022/04/17

オンラインショップ(Kit ONLINE)をリニューアルいたしました。今までは韓国布団ibulと雑貨のショップが別々になっていましたが、ようやく一つのプラットフォームにまとめることが出来ました。まだまだ商品数が少ないですが、これから随時アップしていきます。1年前から実店舗の移転にあたってオフィシャルweb siteとともに準備してきました。
システムの構築とデザインは古美術 うまのほねの鎌田充浩さんにお願いしました。今回彼にお願いしたのは、紙やウェブ上のデザインだけでなく もの を扱う人ならイメージを共有しやすそうだと思ったからです。長きに渡りややこしい要望に応えてくださり、ようやく実現しました。
また、ibulの撮影は写真家の津久井珠美さんにお願いしました。本格的にオンラインショップを立ち上げるにあたり機材の揃え方や撮影指導もお願いしました。津久井さんとは歩粉さんのレシピブック『歩粉のお菓子』で一緒に仕事をさせていただいた時からのご縁です。ibulの使用画像も素敵に撮っていただきました。

実店舗の方もようやくお庭が完成したり、什器が揃ってきたりで、少しずつ落ち着いて馴染んできたように思います。
もともと移転をしたのは、オンラインショップを本格的に立ち上げたいという気持ちもあったからです。単純なカタログではなく、一つの小さなメディアのように情報を扱えるようなショップにしたいと考えていました。商品や買い付けについての記事もこれからたくさん書いていきたいと思います。
「メールマガジン」にもぜひご登録ください。お気に入りの人、店、もの、など購読者のための文章をご用意する予定です。

オンラインショップのカテゴリーの中に「Kit of parts」というコーナーがあります。これはもともとは別のものだった部品、素材と素材を集めてセットにしたもの。または加工したものです。画像は韓国の古い真鍮の匙・スッカラ に漆を焼き付けたもの。口当たりが滑らかで、独特の金属の味が消えるので繊細な食事にもおすすめです。あったらいいな〜、こうだったらいいのにな〜、と思うことをゆっくり形にしていこうという企画です。こちらは来月(5月)にアップ予定です。
Kitは部品、パーツ、素材、またはそのセットの意味です。オンラインの方も、そんな由来にふさわしいショップにしたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。



オンライショップはこちら https://kit-s.shop-pro.jp/

Kit オフィシャルアカウント
https://line.me/R/ti/p/%40193jioct
LINE ID : @193jioct

白磁の置き古し

2021/10/26

突然不意打ちに脚光を浴びている当店の白磁の置き古し(デッドストック)シリーズ。大量に数百個を買い占めたためのんびりしていたら、もう尽きてしまい焦りました。最近はなかなか古手のものが見つからないので諦めていたところ、半年前にお付き合いのある業者さんが奇跡的に発見したのをタイミングよく何種類か仕入れました。特に、卵殻手(エッグシェル)と呼ばれる極薄の白磁は実に18年ぶりにまとめて仕入れることが出来たので、全買いしないわけにはいきません。エッグシェルはプリント入りだったり、底に透かし芸者と呼ばれる芸者の顔が描かれていたりするものが多く、今回のような白だけのカップアンドソーサーは見つけても1~2客がなかなかのお値段で販売されているのを見かける程度。それゆえまとめ買い出来て大ヨダレなわけです。ただ、何事にも終わりはございます...。実は卵殻手のカップに合うソーサーが無くなってしまったのですが、必死で合うものを探してきました。前回より1cm大きいですが、時代、厚み、ともに合うものでリムがくっきりと描かれていないため、単体で菓子皿としてもお使いいただけます。

そしてそんなこんなで執拗に業者さんに問い合わせたところ、ひとまわり大きなサイズのカップアンドソーサーも見つかりました...!!どちらかというとお煎茶や中国茶専用の100ccのカップアンドソーサーに加え、より一般的に使える170ccサイズです。ああ、嬉しい。もちろん全買いです。実は100ccと170ccのソーサーは違うデザインですがサイズがほぼ同じです。100ccのソーサーのみ、リムが曖昧なのでどちらのカップも併用出来ます。どちらのサイズも捨てがたい、もしくは単体でカップのみ欲しいという方にカップのみの販売ページも作りました。

卵殻手以外にも40~50年代ぐらいと思われる薄手の筒型のカップアンドソーサーミニマグ(ソーサーなし)もあります。使い方次第ですが、この3点は非常におすすめ。絶対的です。これらの「白」の違いについて、よくお問い合わせを受けますが卵殻はやや鈍いクリームがかった白で何かに例えるならば不均一な「歯」みたいな白という印象です。ミニマグは年代がもう少し新しいのでよりすきっとした白に見えます。どれを選ぶか?に迷ったら、お問い合わせ下さい。オフィシャルラインアカウントから話しかけていただけるとスムーズです。お問い合わせの際はお選びいただくにあたり懸念点を先にお伝えいただけると、何を気にされているのか分かりやすく、ご提案し易いです。



オンライショップはこちら https://kit-onlineshop.com

Kit オフィシャルアカウント
https://line.me/R/ti/p/%40193jioct
LINE ID : @193jioct

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