eleven 2ndのニット<カーディガン>について

2024/12/26

去年、今年と引き続きeleven 2ndのニットを販売しています。
本格的に寒くなった近頃はもっぱら、Tシャツに1枚で暖かいヤクのタートル、もしくはTシャツorカシミアのラウンドネックセーターに厚手のカーディガンを羽織ることが多いです。Tシャツは冬以外は1枚で着れますが、冬にはインナーになるという使い方です。バリエーションが増えてカーディガンの種類がとても多いのですが、特にこの季節におすすめの厚手のカーディガン3選+番外編です。


① Cardigan with Muff PKT

ご購入は→こちら

マフとは毛皮などで作られた筒形の両側から手を入れて温めるための防寒具。それに似たかたちから由来する「マフポケット」が特徴的なニットです。可愛いマフポケットと、目が詰まったメンズっぽい仕上がりが気に入ってます。なんとなく異国の少年がポケットに手を入れて着ているような、古着っぽさも感じさせます。サイズはやや幅広で、重ね着もし易い。ヤク100%で肉厚、非常に暖かくカシミヤのような艶、暖かさとウールのようなボリュームという良いとこ取りで、毛玉ができにくいというのも最高のポイント。襟が付いていることからジャケットのようにも着れるのがお気に入りです。


②Raglan Long Cardigan

ご購入は→こちら

ラムズウール 53% , ウール(ヤク)47%の半分半分。起毛させてフワフワのテクスチャーがいかにも柔らかく、暖かそうな冬の幸せいっぱいのニットです。やはりロングということもありお尻まで隠れるのは圧倒的に暖かさが加わります。このカーディガンが少し変わっているのは、ボタンが付いているものの装飾として付いているだけで実際は閉じずに着るのが正解。すっきりとしたラインを保ってガウンのようにさらっと着てください。ロングコートの下に重ね着は更に良いです。


③Chunky V-neck CD

ご購入は→こちら

こちらは①や②よりもたっぷりのサイズ感で特に身幅が広く、ざっくりと着れるカーディガンです。カラーごとに合わせられた樹脂ボタンの組み合わせもたまりません。昨年は4月まで長く着ていました。こちらは使用感が出てくると良い意味で古着っぽさ(アイビーっぽさ)が増します。ヤク47%のため毛玉も出来にくいのですが、ラムズウールのモコモコ感がこのオーバーサイズのかたちによく似合うのです。細身の男性でも着れるくらいですが基本的に女性用です。ザクザク!っと着てください。


番外編★④New Lettered Cardigan

ご購入は→こちら

Lettered CardiganとはまさにIVY!大好きなアイビー。結局、自分の原型って欧米の伝統的なソレにあるな〜と最近思い返していました。なぜなら雑誌ではなく子ども時代の私は昔の映画を愛し、おしゃれは全て映画から学んでいたからです。そしておじさんセーターと勝手に命名しているのですが、いかにも昭和のお父さんお爺ちゃんが定番で着てそうなかたちでもある。実家にある、化学繊維の似たようなカーディガンを就職するまで大事に着ていました。素材が違うのでこういう可愛いボリュームは無かったけれど、昔から好きなかたちです。時々様子が変わった刺激的な洋服も着たくなりますが、いつでも心の定番にはこういった昔ながらのかたちが存在しています。でも時代は令和だから、素材はバージョンアップで。


他にも種類はたくさんありますが、今のおすすめはこのような感じです。総じて、カーディガンは下に上にと重ね着を楽しむためにある、と断言致しましょう!

eleven 2ndの商品ページは→こちら

年末年始・1月の営業について

2024/12/19

<年末年始 / 1月の営業について>

年内の営業
30日(月)18:00までです。

年明けの営業
1月4日(土)12:00からです。



<1月のお休み>

元旦ー3日(金)正月休み

15日(水)定休日

16日(木)臨時休業

22日(水)定休日

29日(水)定休日


どうぞよろしくお願いいたします。

柴田有紀作品について

2024/09/03

柴田有紀さんの作品をKit ONLINEで販売中です。
ONLINE上だと、特にガラスは分かりづらく撮影が難しいので悩ましいのですが、今年の夏の色greenの写真を色々撮ってみました。底、高台の仕上げが作品によって違います。ポンテ跡を残さず綺麗に磨きをかけていただき安定感のある器を制作していただいてます。特にプレートはその範囲が広いから大変。吹きガラスは吹くだけでなく、こうした磨きの作業も重要です。分かりづらい箇所ですが、作品の高台をどう仕上げるかによって吹き方も変わる為、綿密に意見を交わしています。ご参考ください。 他の商品に関しても、ご質問、ご相談等お受けしております。お気軽にお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
*受注品の受付は終了いたしました。即売出来る作品のみ継続して販売中です。

柴田有紀作品のご購入は→こちら

Picnika カントリーフォークロア 2024

2024/05/16

Picnikaの津留さんが選ぶ甘過ぎない、温もりを感じる可愛らしさに焦点を充てた"カントリーフォークロア "パート2を開催中です。前回は2年前でした。イベントと言うとPicnikaがまるっと運ばれてくるかのようなイメージを持たれている方が多いようなのですが、そのような趣旨ではありません。自分の目を通して当店にも似合いそうなものをメインにピックアップしてもらっています。Kitっぽい、というと定義が難しいのですがPicnikaを丸ごと楽しみたい方はぜひ実店舗へ。
数年前からコンテナを使って家具を輸入するようになってから更に幅が広がったと思います。私は買い物自体は得意なのですが、いかに良いものを選んで運び、販売するか...古物はメンテナンスも必要なものが多いし、円安の時代に日本で十分販売可能な価格に抑えることもバイヤーの仕事です。ただの買い物とは違って、実はそれがまず最初の難関で永遠の課題。私はまだこの課題がクリア出来ていなくて目下落第中ですが。木器、陶磁器、ガラス、ホーロー、アルミ、布ものまで、万遍なく好みのものがあり、これほど幅広い買い付けが出来るのは羨ましい限り。
全体的に低温で焼かれ、見た目以上に軽い絵皿。Picnikaには可愛らしい絵付けが常にありますが、画像の中(6番目)の中で私が1番好きなものがあります。そんな話をしたら「どれか当てましょうか?笑」と津留さん。見事当ててくれました。そういうものに限って誰も見てないな〜、と思うのですが(まだ売れておらず)津留さんが分かっていてくれて嬉しい!



六九工藝祭
アーティストキュレーション vol.2
「ままごと」

2024/05/08

柿渋染め作家・冨沢恭子さんが企画する松本での展示に参加します。
自分は何かを作れるわけではないので、さてどうするか …ですが、お題である「ままごと」が自分のもとにやって来たのは分かる気がしました。かれこれ20年以上、雑貨を売るという仕事をしておりますが実はそこに生活やストーリーといったものが本質的には無く、世の中をより”もの”っぽく、記号的に見ている自分がいます。素材と素材を合わせて全体を組む、そこに生まれる空気に興味があります。それは特別なものでは無く、なんてこと無いものです。ということで、作りはしないのですが合わせていきます。



六九工藝祭
アーティストキュレーション vol.2
「ままごと」
企画 冨沢恭子

芯となる思想や世界観を掲げるよりも、素材やモノを選びとる独自の観察眼をものすごく軽やかに空間に提示していると感じる作り手、選び手に、ある種の「ままごと性」を感じることがあります。子供が作りあげた、ごっこ遊びの空間や秘密基地、拾いあつめた宝物をしまう紙箱のなかのような安心感と、散らかりと、わずかな「不穏さ」。ディスプレイでもスタイリングでもないのに、力みのないその場には軽やかな驚きがあり胸がキュンとするのに甘すぎない。ただひょいと置いたように見えて、そのものが存在する空間全体にビビッドなリアリティを感じさせてくれる5組の「ままごと性」に焦点をあてます。

参加者)
Kit 椹木知佳子
オレリー・マティゴ
小松未季
立花文穂
sunui


2024年5月25(土)・26日(日)
11:00~17:00
六九通り「相模屋」跡
〒390-0874 長野県松本市大手 2丁目4-30

買い付け展02
(珍3)黒板

2024/03/08

李朝時代の黒板。
当然、使い倒されて現存するものが無いのか、そもそもあまり見ないのですがこちらは特に珍です〜。塗装にものすごく注目しました。白漆かな?と思いましたが上に思いっきり塗料が載ってる感もあり何か違う...と思い聞いてみると、卵白と松脂を練ったものを塗装しているそうです。小さなサイズの黒板は特に貴重であり、通常より厚みもあり、塗装が浸透して馴染んでいるのか、艶が出て非常にエレガンスな存在感を放っています。ひと目見ただけでも、お高そう。実際に今は使う事は出来ないのですが花台にするにも良く、テーブルに寝かせた時に安定感があることも重要です。とにかく木の艶が仕上がっているので堂々たるもの。
黒板自体、仕入れることが少ないのですが昨年から続けて豊作です。前回は墨が入りすぎて黒くなったもの、カーキ色に塗装(顔料?)された黒板を仕入れたのですが、滅茶苦茶に激しい絵画のような弾けっぷりがカッコ良くて木の味わいは無視でした。それらは茶人のもとへ旅立って行きました。皆さんどう使われているのだろか謎なのですが、機会があれば是非instagramにでも使用写真を投稿していただければと思います。

おまけ。こちらはとても小さなサイズで携帯用。しかも板は石で出来ています。通りで重いと思った!なんという贅沢品。使用感が出てうっすら紫がかっているのも最高。

買い付け展02
(珍2)ピッピ線

この10年間、少ないながらも何度か登場したピッピソン。ピッピ=電話、ソン=線の意味です。
こちらも自然素材の代用品として電話線で編まれた籠です。朝鮮戦争時代に登場し1960年代頃まで使われていました。最初に見たかたちは黒い線で編まれた市場籠でしたが、蓋物や魚籠などもあります。
調べてみると当時は物資不足からこのような創造性豊かな代用、リメイク品が多数誕生したようで、例えば砲弾を利用した灰皿、手榴弾のオイルランプ...などという癖の強い代物もあったようですが、流石にちょっと怖いですね。それこそ珍の中の珍品ですが...。
特に市場籠やストッカー(穀物や野菜を収穫、貯蔵したりするのに使用)はそれまでは藁、藤、竹などで編まれており、生活必需品ですから様ざまなかたちが生まれました。きっとこれも製作者は女性だろうなあ...と思わせられるような配色、愛らしいかたちのものが多く、電話線だから長持ちすると重宝されたそうです。喪失のさなかでも人は新しいものを生み出します。エネルギーの転換。私はそこにこそ芸術を感じます。

買い付け展02
(珍1)バンダチ風石油コンテナ / セルロイドの折り畳みソバン

珍品シリーズその1。
久しぶりにこれぞ...!と唸る面白いものを見つけました。非常に珍しいもので私がまた会いたかったもの、それは1930〜40年代に使用された石油コンテナ。2015年に偶然に幾つかこのコンテナを持っている業者に会い、仕入れることが出来たのですがどれも手づくりで仕様はバラバラ、その後見ることはありませんでした。特に状態が良く、バンダチ(収納棚)のかたちになっているのは更に珍しい。
当時の韓国で代表的な石油輸入配給機関であった朝鮮石油株式會社が代理店として扱っていた主要ブランド・ニューヨークスタンダード石油会社(New york standard Oil)の名がハングルで記されています。この会社は朝鮮戦争勃発後に撤退したようですが、その石油を積むコンテナとして使われいたもの。米軍政期(1945~48年)には街頭で靴磨きをする幼い少年家長たちがこのコンテナの中に道具を入れて通い、お客さんが来たら寝かせて脚置きにするという方法で使用するケースが多くあったそうです。子どもが持つには大きく重たい商売道具ですが、かつてそうした時代があったことを記憶する近代の遺産でもあるのです。


続いて輪花型のソバン。意外とこういうものこそ見つからないのですが...初めて見ました。需要があるかどうか不明ですが個人的にこういうHENなもの大歓迎。ソバンは台所でつくった食事を乗せ、そのまま居間に運んで床の上で食べるのに使った一人用のお膳です。現代の食卓ではソバンを日常的に使うことはほぼ無さそうですが、1960~70年代に簡易版として現れて一瞬で消えたもよう。セルロイドは燃え易いのでそのうち樹脂にとって代わられ、そういった意味でも長く活躍しなかった素材です。これは図らずも茶色でなんとなく木目調に見えなくないのも騙し絵的でクスっと笑ってしまいます。
珍品が好き。時代の隙間に代用品、副産物またはプロトタイプとして一瞬現れ、すぐ忘れ去られたもの。まさに時代を表す鏡であり、そういうものに魅力を感じてしまいます。

買い付け展02
K刺繍

2024/03/07

家庭に入ったら針仕事。そんなことは当たり前だった時代に大量につくられたであろう刺繍、パッチワークもの。お嫁入りする際には手刺繍でダブルハピネス(囍)マークやsweet homeなどの英字をあしらったタオル、枕カバーを贈られることはよくあったようです。
そんな中でもさり気なくステッチされたものを探しています。これまで何度も見た中でもトランプ模様や身近にあるハンアリ(壺)を刺した韓国らしいモチーフが私好み。大作に取り掛かろうとして途中で力尽きたと思われる未完の大作もあり、ペンシルの跡が残ったりしていますがそれも良い。裏返して使っても良いなあ、、と惚れ惚れ。リネンや手紡ぎ手織りのコットンに刺したものも多く、素材感も良いものを求めています。なるべく願いを込めた文言が入っていない意味の無いものが好ましく、遊びの利いたものも大好き。お母さんの刺繍のハンカチを持っている人は今では珍しいと思いますが、素人のセンスが詰まった布を私は愛します。
そしてそれをK刺繍と名付け広めようとしていますが、まったく、浸透しておりません。

買い付け展 02
ポジャギ

2024/03/03

今まで何枚仕入れて販売した分からないくらいのポジャギ。「お包み」という意味(ポジャン=包装という意味から)でチョガッポという「端切れを縫い合わせた布」の一つでもあります。ポジャギは風呂敷のように衣類を包んだりすることが多く90cm〜100cm角が一般的な大きさのようですが、それ以下、それ以上のものも時どき。ほとんどが手縫いですが、足踏みミシンが韓国に入ってきて100年は経っているそうですから、ミシン混じりのものもあります。古く、状態の良いものは以前より入手困難になってきました。
10年前は生成りや白の素朴な苧麻、大麻のポジャギのイメージが強く、美しい素材感に惹かれていましたが、何度も通ううちに変わり種を仕入れることが多くなってきました。今回も変なものから名作まで色いろあります。写真上から「カプサ」「藍染」「生苧麻」のポジャギです。


「カプサ」
1950年代から登場したレーヨンの一種。漢字で書くと甲紗になるようです。当時のカプサはよりシルクっぽい風合いで、主に肌着として使われた布地の端切れで作られているせいかキッチュ、艶かしいものが多めで、もう少し時代が進みポリエステルになるとインチョ(人造)のポジャギが登場します。こちらはところどころピンクに染まった白いカプサで、他の布が色移りしたのか、縫代をピンクのペンで描いたのか...定かではありませんが、ピンクが好きなせいか良いポイントになっています。

「藍染」
苧麻に藍染のポジャギ。それもかなり厚手の布で何度か重ねて濃く染めたであろうジーンズの風合いで、かなり珍しい。細番手で苧麻の可憐な水色ポジャギは見たことがありますが、ここまでジーンズなのは初めて。かたちはポジャギですが、国籍不明で面白い布だと思います。

「生苧麻」
センモシと呼ばれる苧麻の繊維を撚(よ)って糸にせず繊維のまま布にしたもの。硬くハリがあり、白く漂白した生苧麻はポリエステルのような人造チックな不思議な風合い。端切れが細かく数の多い、手の込んだポジャギはデザインにもよりますが私にとって逆に艶かしく(マダム感?)好みでは無いのですが、この素材にすると魅力的。少しシミもありますが、許容範囲内ということで仕入れてきました。


その他、ほぼ変わり種ばかりのポジャギを仕入れています。年代ははっきりしませんが大体1950年〜80年代くらいかなと。韓国では今つくられているポジャギもあり、新しい方が実用的に使うには良いと思うのですが、私が紹介するのはほぼ古布です。昔は手織の布で服を仕立てて、その残りを半ば無理矢理1枚に繋ぎ合わせたのは時代の必然でした。副産物としての美しさ、心をかたちにした1枚である点に惹かれているからです。古いから良いというわけでは無いのですが、残りものに再び美を与えた女性たちのお洒落心に私はいつも感動しています。

IG X
© SANKAKUHA inc.