Kitは2012年に雑貨商として開店しました。
キットとは素材、パーツ、そしてそのセット。
ものを通して気になる”何か”を引き出して、今まで多くのテキストを書いてきました。
作家と開催した展示や企画から生まれた10のキーワード(A面)、そして裏のテーマ(B面)を振り返り、記録として残します。
ひとまず、草稿とします。
目次)
Side A
1.
hou homespun (ホームスパン)
ポケットマフラー
2.
大滝郁美 (染織物)
幸福のハンカチ
3.
中本純也 (焼きもの)
普通は未来にある
4.
壷田和宏・亜矢 (焼きもの)
熱量で焼くうつわ
5.
大矢拓郎 (木工)
S・F盆
ふらりと訪れてくれたのは5年くらい前。小さな我谷盆や拭き漆のお盆など、手刳りの作品をいろいろ持って来てくれたことを思い出す。例えるならば、どこかの古民芸店に入って偶然に見つけたような、無記名の木工品のようだ。背伸びしすぎな等身大の姿に近い気がして、自然とやり取りが始まった。
我谷盆のような、木の塊にぶつかっていくような仕事を好み、荒彫りをしたあとカンナやノミを使う。「駄作でも、たくさん手を動かしていた方が良い」と言うだけあって、これまで多くの習作を見てきた。そんな中から、大胆なノミ目が気持ち良い隅丸重箱、紙箱のような名刺入れなど、やはり古物のような佇まいの、しかし独創的な作品が生まれていると思う。
我谷盆に憧れて木工の道に入ったという事もあって、原点である手刳盆に力を入れているのだが、特に印象的な作品を二つ。一つはノミ目が破壊的に素晴らしい、松の讃岐盆。時間とともに、松脂が全体的に馴染んで艶が出てくる。もう一つは生漆(きうるし)仕上げの栃の藤原盆。拭き漆以上・溜め塗り未満で、木目を生かさず殺さず、うっすらと奥に木目を感じる程度に塗り重ねて黒漆の佇まいに近づけている。
古いもの、美しいものへの憧れ ー その眼差しがうつし変える新しい色かたち。時代や地域は異なるが、木をかたちづくる感触自体は今も昔も同じであり、手で削った感覚を大事にしている。ただし忠実なトレースではない、念の為。ということで、それぞれS盆、F盆と現代的に記号として表記していくことにした。
略歴)
大矢拓郎 / OYA Takuro
1986年 誕生
2012年 京都伝統工芸大学校木工芸専攻卒
2012年 佃眞吾に師事
2018年 亀岡にて独立
6.
MAISON GRAND’AILE (古物)
火星へのアプローチ
7.
柴田有紀 (ガラス)
BANANA TIME
8.
志賀裕明 (乾漆)
数モノ
9.
小松未季 (彫刻)
生の傷跡をパッケージ
10.
アーノルド・ギルバート (写真)
光のあるところに影がある
Side B
1.
数モノ
2.
ちょっと、古いもの
3.
珍品名品
4.
気に入らないものは塗りつぶすに限る!
5.
Think pink
6.
アルミニウム礼賛
7.
ままごと
8.
ポジャギ
9.
顔、口、手、足、そしてドール
10.
ケミ子


おまけ。こちらはとても小さなサイズで携帯用。しかも板は石で出来ています。通りで重いと思った!なんという贅沢品。使用感が出てうっすら紫がかっているのも最高。
この10年間、少ないながらも何度か登場したピッピソン。ピッピ=電話、ソン=線の意味です。