F/style ゴムが入っていないさらりとした綿の靴下

2022/09/15

やっと出来たか...とF/styleも大きく息を吐いていることでしょう。
もともと販売していた、ゴムの入っていない靴下シリーズが廃盤になってから数年が経っています。あれから、靴下はもうないんですか?と何度聞かれたことか。本来は昨年秋に当店で開催した展示に間に合う予定でしたが、もう少し試作したいとのことでさらに1年が経過しました。
ふたたびゼロ地点に立ち、新しい糸を開発するところからスタートした靴下作り。発起のきっかけになったのは新潟の栃尾で撚糸業を営む(株)本寅工業さんから「こんな糸を作ってみたのだけど」と試作中の糸を見せていただいたことがきっかけだったそう。豊かな水に恵まれた雪深い山間の盆地にある栃尾は繊維関係の関連技術(撚糸、染色、織り、編み、仕上げ加工)のすべてが揃っているテキスタイルの産地。栃尾の繊維業はポリエステルなどの化学合成繊維から、綿や麻などの天然繊維まで対応できる高度な技術を持ちながら、産地内のニット・織物製造との連携も深く、撚糸業側からの提案力があるところも魅了のひとつだと言う。
肌に直接当たる部分が綿になるように、伸縮役のポリエステルを綿糸でコイル状に巻きつけてカバーリングするという糸を開発するところから出発し、データのない特殊糸で靴下を編むということに挑戦。染色や編みはそれぞれ新潟のプロフェッショナルと三社協働で数年がかりで仕上げた。

私自身がしばらくの間入院し、ゴムの入っていない靴下というものに非常に助けられた経験があります。ベッドに入っていても意外と足先は冷えるから靴下は履きたいけど、長時間履いているとやっぱり足が痛くなりむくんでしまうんです。改めて、必要性とありがたみを感じたものです。消費者としては使い心地だけでなく耐久性や見た目にも求めるものは多いですが、トータルで理想的な設計を実現させた企業努力に拍手を送るとともに、作り手としての粘り強さに感服せざるを得ません。とんでもなく集中力のいる仕事であっただろうなあと想像しますが、きっと何度も頭を冷やしながら休みながらコツコツ積み上げて完成したのだろうと思います。 今回の靴下は以前より、テクスチャーがまず良いと思います。紙糸かのようなポコポコとした質感はさらっとしていて厚くも薄くもなく、空気を含んだ軽さを感じます。足を通してみて、いい!と思いましたが、実は経験上パッと見て良さは分かってました。
時々は経過を見せていただいていたので、ついにここに着地したか〜という感じ。
おすすめします。皆さん、たくさん履いてください! オンラインショップからもご購入いただけます。
ご購入は<こちら>から。
IG TW
© SANKAKUHA inc.